著訳書
ファンデアエイケン『アノレクシア・ネルヴォーザ』
(1991年 共訳、中央洋書出版)
私にとっては初めての出版物。
当時、東大心療内科で研修していた医師仲間で訳した本です。
アノレクシア・ネルヴォーザとは神経性食欲不振症(拒食症) のことです。
拒食症の教科書とでもいうべきこの本は、今読んでも古さを感じない内容です。
『心身医学オリエンテーションレクチャー』
(1992年 共編、金剛出版)つ病,うつ状態
当時、東大だけでなく全国から集まった、心療内科に興味を持つ医学生を対象とした夏期セミナーを毎年開いており、その際に講師陣がテキストとして使った資料を大幅に加筆修正したものです。
スティーブン・ラバージ『明晰夢--夢見の技法』
(1998年 訳書、春秋社)
夢を見ている最中に、自分が夢見ていると分かる夢を明晰夢といいます。
ラバージは明晰夢研究では第一人者です。
私がこの本を手にしたのは偶然ですが、自分で翻訳してみようと思い立つほど強い興味を持ちました。
2005年春に新装版が出ました。
『心療内科“癒し”の診療室』
(1999年 NCコミュニケーションズ)
心療内科の一般向け解説書です。
クリニックを訪れる患者さん用に作った病気解説の小冊子が底本です。
たまたま取材にきたライター兼編集者の笹倉尚子さんが、その小冊子に興味を持ってくれたため、出版できました。
『幸せの絆を求める女たち』
(2000年 講談社)
自分が診た患者さんが登場人物という設定ですが、実在しないエッセイ風フィクションです。
女性雑誌Verryで過食症が取り上げられ、そのとき取材にきたライター杉浦澪さんによる記事が講談社の目に止まったことがきっかけで書きました。
『うつ克服 Q&A 50』
(2000年 監修、宝島社新書)
雑誌「別冊宝島」で出版されたものを改変したもので、ライターの上野玲さんが質問項目を考え、私が回答を考えました。
『臨床に役立つ 心療内科入門』
(2003年 共著、NCコミュニケーションズ)
心療内科を学ぼうとする医師や看護師、医療スタッフを対象とした本。
当クリニックの顧問でもある井出雅弘先生と二人で何度も勉強会を開き、書きました。
『心が痛い』
(2004年 監修、新紀元社)
女性雑誌マフィンで、ライターの佐藤美喜さんと「幼稚園児を持つ年代の主婦の悩み」をテーマに仕事をしたことがあり、それが縁で書くことになった本。
私が書いた本のなかでは一番、締め切りに追われた作品です。
『心療内科 病気の「治り方」』
(2007年 NCコミュニケーションズ)
病気の解説書を読むと「早く適切な治療をすればよくなる」といった表現をよくみかけますが、なかなか治らない人も多いというのが実情でしょう。
そんな人のために、という気持ちで書き始たのですが、やはり難しく、悪戦苦闘しながらなんとか書き上げたというのが本音でしょうか。
期待して読んだ人は「ちょっと物足りない」という感想を持つかもしれませんが,誇大な表現や建前に終始した話にならないようには心掛けました。
今後、修正すべき点が見つかる可能性はありますが、大筋では今の自分の考えを述べることができたと思っています。
『過敏性腸症候群の治り方』
(2021年 ブイツーリユーション)
私は過敏性腸症候群を特別専門にしてきたわけではありません。
私はあくまで過敏性腸症候群を、心と体がお互いに影響し合っている(心身相関)の病気、つまり心療内科の病気の一つとして診てきただけでした。
それだけでも下痢や腹痛、おなら、腹満といった症状のため、内科や消化器科に通院しても変化しなかった人が、改善する場合が少なくありませんでした。
しかし過敏性腸症候群で私のクリニックを訪れる患者さんが増えるにつれ、改善しない患者さんも増えてきたのです。
このため患者さんたちの期待に押される形で、過敏性腸症候群に関する最近の研究や治療法を調べるようになり、結果的にこの本を書くことになりました。